ついにドイツの名門オーディオブランド『Sennheiser(ゼンハイザー)』から新作のワイヤレスイヤホン『MOMENTUM True Wireless 4』が発売されました!

2022年5月に発売された前作『MOMENTUM True Wireless 3』から2年ぶりの新作となります。
デザインは大きく変わっていませんが中身は大幅にアップデートされており、ゼンハイザーを試したことがない方や前作に物足りなさを感じていた方に刺さるワイヤレスイヤホンになったように感じました。
- 自社開発の7mm径のダイナミックドライバーを一基搭載
- 臨場感のあるサウンドと優れた空間描写で音に包み込まれる感覚
- ノイズキャンセリングと外音取込みは業界トップレベル
- 最新コーデックaptX LosslessとLC3に対応
- マルチポイント接続に対応
前作の音質やノイキャン性能をさらに磨き上げたような仕上がりという印象です。
イヤホンの特徴を詳細にレビューし、こちらのイヤホンをおすすめできる人をまとめていきます!

高価格帯のイヤホンですので、後悔しないよう購入前に参考にしていただければ幸いです♪




MOMENTUM True Wireless 4がおすすめな人
早速ですが、本記事でレビューする『MOMENTUM True Wireless 4』がオススメな人は次のとおりです。
- 角が無くまろやかで深みのある音質が好き
- サウンドパーソナライゼーションで自動的に好みのバランスに調整して欲しい
- 実用的なノイズキャンセリングと外音取込み機能が欲しい
- ラジオ、Amazonのオーディブル、YOUTUBEなどで人の声をイヤホンで聴くことが多い
安定のゼンハイザー特有の丁寧な音作りが素晴らしいことは言うまでもなく、低音から高音域までの繋がりが綺麗で音に包まれている感覚が楽しめます。
さらに『MOMENTUM True Wireless 4』ではサウンドパーソナライゼーションにより、いちいち自分でイコライザー調整をせずとも、案内に従うことで自動で自分好みのバランスにカスタマイズできます。



この機能が本当にすごい…サウンドパーソナライゼーションをすることで求めていた音となり最高のイヤホンとなりました…!
筆者はラジオやAmazonのオーディブルで音声を聴く頻度が多いのですが、人の声が明瞭で聞き取りやすいためストレスが無くて助かっています。


MOMENTUM True Wireless 4のメリット・デメリット
『MOMENTUM True Wireless 4』を使用して感じたメリットとデメリットは次のとおりです。




MOMENTUM True Wireless 3と4のスペック比較表
![]() ![]() MOMENTUN True Wireless 4 | ![]() ![]() MOMENTUM True Wireless 3 | |
発売日 | 2024年3月1日 | 2022年5月20日 |
ドライバーサイズ | 7mm(最新版) | 7mm |
接続方式 | Bluetooth5.4 | Bluetooth5.2 |
対応コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX Adaptive / Lossless Snapdragon Sound, LC3 | SBC, AAC, aptX, aptX Adaptive |
再生時間 | イヤホン単体7.5時間 充電ケース 併用30時間 | イヤホン単体7時間 充電ケース 併用28時間 |
ノイズキャンセリング | ||
外音取込み | ||
マイク | ||
マルチポイント接続 | ||
充電方法 | USB Type-C/ワイヤレス充電 | USB Type-C/ワイヤレス充電 |
防塵・防水規格 | IP54 | IPX4 |
価格 | 49,940円 | 39,930円 |
スペックだけを見ると、「ほとんど変わっていないジャン…」と思うかもしれませんが、確実に前作よりもパワーアップしています。
特にBluetooth5.4で接続安定性が向上し、ノイズキャンセリング、外音取込みは大幅にアップデートされました。
さらに多くのイヤホンが防水のみで防塵には対応していない中、5等級の防塵性能を備えました。



値段は約10,000円上がりましたが、その分中身もパワフルになっているため、今買うなら間違いなく最新モデルがオススメです!


MOMENTUM True Wireless 4のレビュー


それでは『MOMENTUM True Wireless 4』を詳しく見ていきましょう!
外観とパッケージ内容


- イヤホン本体
- イヤーピース(XS/S/M/L)
- イヤーフィン(S/M/L)
- 充電ケーブル(USB Type A to C)
- 取扱説明書
イヤーピースとイヤーフィンは複数のサイズが入っているため、しっかりと耳にフィットすることができます。


充電ケースは前作に引き続き、高級感のあるファブリック素材です。
傷がつきにくく、保護ケースが不要なのが嬉しいです。
ゼンハイザーのロゴがグレーになり、落ち着きのある上質なデザインとなりました。


イヤーピースの形状が今作から蜂の巣型に変更されています。
これにより音の伝達性能が向上したことが予想されます。
イヤホンのデザインはメタリック感が出て、充電ケースと同様に高級感が増しています。


『MOMENTUM True Wireless 4』は『BTD600』を使用することで、最新コーデックに対応していない端末でもaptX Adaptiveを使用することができるようになります。
aptX Adaptiveに対応していないiPhone15やiPad、MacなどでもBTD600を使用することでワイヤレスイヤホンのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。



イヤホンとBTD600のセット販売もされているため、興味がある方はぜひ一緒に購入してみてください!




装着感(付け心地)


装着感 | 4.7 |
イヤーフィンはS・M・L、イヤーチップはXS・S・M・Lが付属しています。
複数のイヤーフィンによって様々な耳の形にフィットし、イヤーチップはあらゆる耳の穴のサイズに合わせることができます。
シリコン製のイヤーチップは付け心地が大変良く、半日以上つけ続けていても疲れにくいです。
【音質】臨場感溢れるサウンド


肝心の音質は一言で表すと、
まろやかで角がない
低音;身体に響き渡る重低音ではなく、深みのある音で音楽全体を支えている
高音:シャリシャリと刺さることがない艶やかな音で、まっすぐ素直に耳に届く
中音:低音と高音をシームレスに繋げており、全体に雑味のない印象を与える
全ての音域で繊細に音を再現しており、特に弦楽器の艶やかな音が素晴らしくクラシックの音楽に最適です。
もちろんポップス、ロック、EDMなども最適なバランスで音を楽しめるためオールジャンルに対応したイヤホンです。



癖のない素直な音が好きな人に向いているイヤホンだと思います!




【音質】画期的なサウンドパーソナライゼーションで好みのバランスに


デフォルトでも素晴らしい音ですが、少しバランスに違和感があり、ボーカルが埋もれて聴こえにくい特徴がありました。
そこで活躍するのが「サウンドパーソナライゼーション」です。
ゼンハイザー専用アプリをダウンロードすることで自分専用のイコライザーに自動で設定することができます。



設定はアプリの指示に従うだけなのでとても簡単!一緒にみていきましょう!


アプリを開いて、「マイサウンド」の右側「サウンドパーソナライゼーション」を押します。


初めて設定する場合は、フィットテストから始まります。
フィットテストのやり方を確認する
フィットテストが完了すると、サウンドパーソナライゼーションの設定ができるようになります。


まずはストリングス(高音)のリスニングに快適なレベルを設定します。
好みの大きさとなるように青丸をスライドします。


次に低音とストリングスのバランスを調整します。
ここで人によって好みが大きく分かれてきます。


低音とストリングスのバランスを決めたら、快適に聞こえる最小の音量レベルを設定します。


もう一度、低音とストリングスのバランスを調整します。


続いて、ドラムの音量を快適に聞こえるレベルに設定します。


最後に青い円を移動させて微調整して完了です。
青い円の位置によって、「低音、ストリングス、ドラム」のバランスが変わります。


数分で設定は完了しました。
設定前はストリングスが弱くボーカルが聞こえにくい特徴がありましたが、サウンドパーソナライゼーション後は文句なしの音質に変貌しました。



元々AirPods Pro2を愛用して慣れていたこともあり、AirPods Pro2のバランスを繊細に磨き上げたような音質となりました(笑)




【ノイキャン】大幅にレベルアップしたノイズキャンセリング
『MOMENTUM True Wireless 4』はノイズキャンセリング(ANC)の性能が前作よりも大幅に向上しており、さらに実用的になりました。
ノイズキャンセリング性能 | 4.0 |
ノイズキャンセリングの評価は騒音の低減レベルだけではなく、使用時の圧迫感や音質の劣化も重要なポイントとなります。
『MOMENTUM True Wireless 4』は騒音の低減レベルで見ると業界最強のAirPods ProやBOSEには劣りますが、十分実用的なレベルです。
飛行機や電車では騒音を全く気にならないレベルにまで抑制してくれます。
使用時の圧迫感や音質の劣化は極限まで抑えられており、長時間ノイキャンモードを使用しても全く苦痛になることはありません。
しかし街中の車の走行音や店内の人の声については、消しきれていない部分があります。
総合的にはノイキャン性能は業界2-3番手くらいの実力ですが、音質と使用感を考慮すると文句無しのノイキャン性能ではないでしょうか。




【ノイキャン】風切音の防止が優秀


【アプリ】設定を細かくカスタマイズできるで紹介する専用アプリでノイズキャンセリングの切り替えだけでなく、「風切音の防止」というモードも選択できます。
通常のノイズキャンセリングや外音取込みモードは思ったよりも風切音が入ってきますが、「風切音の防止」をオンにするとほぼ全ての風切音が聞こえなくなります。
その代わりに少しノイズキャンセリングの効力が弱まるため、風切音が気になるときだけオンにすることをオススメします。
【外音取込み】より自然で雑音が減少


外音取込み性能 | 4.5 |
『MOMENTUM True Wireless 4』の外音取込み性能(トランスペアリングモード)は前作から大幅に変化していないように感じましたが、十分に実用的なレベルです。
前作からホワイトノイズがかなり低減されるようになりました。
マイクを通している感が僅かに残りますが、コンビニや軽く人と話すレベルであれば全く問題なく使用できます。
気になる点は、風切り音が思ったよりも入ってしまうことです。




【操作性】感度良く快適な操作感


操作性能 | 4.5 |
イヤホン本体にタッチセンサーが内蔵されており、タップすることで曲送りや音量の調整などを行うことができます。
感度は良好で誤操作は起きにくいため全くストレスはありません。
タッチは3回まで設定でき、回数に応じて異なるビープ音が鳴るため何回タップしたかが分かります。




【アプリ】イヤホンの操作設定をカスタマイズ
ゼンハイザーの専用アプリをダウンロードすることで、サウンドパーソナライゼーションだけでなく、イヤホン操作を細かく設定することができます。
初期設定は次のとおりです。
タップ数 | 左 | 右 |
---|---|---|
1回 | トランスペアレントモード | 再生/一時停止 |
2回 | 前のトラック | 次のトラック |
3回 | ノイズキャンセリング | 音声アシスタント |
長押し | 音量ダウン | 音量アップ |
左右で機能が分かれておりタップ数を覚えるまでは苦労するかもしれません。
それぞれのタップ回数と機能はカスタマイズできますが、初期設定が最も使いやすいです。
通話時の操作は次の通りです。
タップ数 | 左 | 右 |
---|---|---|
1回 | 応答/ミュート | 応答/ミュート |
2回 | 拒否/通話終了 | 拒否/通話終了 |
こちらはカスタマイズできません。
【アプリ】フィットテストが優秀
アプリ内でイヤホンのフィットテストを行うことができます。
密閉性の高いワイヤレスイヤホンに慣れてない方はイヤーピースを正しいサイズで使用できているか不安になりますよね。
フィットテストはあなたに適したサイズのイヤーピースを使用しているか判断してくれます。


フィットテストを開始すると、まずは快適に聞こえる音量を尋ねられます。


続いて、大音量の感覚を尋ねられます。


フィット感を分析してくれます。




フィット感が悪い場合は左の画面のようにイヤーピースのサイズ交換が促されます。



左耳の音だけ密度が足りていないことが明らかだったため、感覚とテスト結果は一致していました。
そこで左耳だけイヤーピースをSからMサイズに変更し、フィットテストを再試行したところ、右画面のようにどちらのイヤホンもフィット感は良好となりました。




【コーデック】aptX LosslessとLC3(アップデート予定)に対応


最近のハイエンドワイヤレスイヤホンは様々なコーデックに対応しており、『MOMENTUM True Wireless 4』も例外ではありません。
SBC, AAC, aptX, aptX Adaptiveだけでなく、最新コーデックのaptX Adaptive Lossless・Snapdragon Sound・LC3(今後のアップデートで対応予定)に対応しています。
ただしiPhoneはSBCとAACのみに対応しており、最新コーデックの使用はそれぞれに対応した端末が必要となります。



最新のコーデックは低遅延で高音質な音を楽しめますが、対応している端末がごく一部であることが課題です。
【コーデック】BT600によりiPhone・iPad・MacでaptX Adaptiveが使える
『MOMENTUM True Wireless 4』のコーデックをご紹介しましたが、残念ながらiPhoneやiPadは最新のコーデックに対応していません。
しかし高音質で低遅延の次世代コーデック「aptX Adaptive」をiPhoneやiPadで使用する方法もあります。
必要なアイテムがこちら!




USBアダプター『BTD600』です。
こちらはUSB TypeAとCに対応しており、端末に接続することでaptX Adaptiveに非対応の端末であってもaptX Adaptiveの高音質通信を行うことができるようになります。
例えばUSB Type Cに対応しているiPad Pro等にBTD600を装着すると、レシーバーが認識されます。


あとはこのレシーバーとMOMENTUM True Wireless 4をペアリングするだけで、aptX Adaptiveが利用可能となります。
しかし注意点もあります。
- iPhoneは15以降のみ対応
- 保護ケースが干渉することが多い
BTD600はUSB Type AかType Cにのみ対応しているため、Lighntning端子のiPhone14以前のモデルは使用できません。
もう一つの注意点が、MTD600が保護ケースに干渉する可能性があること。
筆者はiPad ProにMOFTの保護ケースを付けています。
Magic Keyboard対応のMOFT(モフト)Snapケースをレビュー!




保護ケースを付けたiPad ProにBTD600を差し込もうとすると、


BTD600がケースに干渉して接続することができませんでした。



BTD600はMOMENTUM True Wireless4に必須アイテムではありませんが、USB TypeCに対応したiPhoneやiPadでより高音質で音楽を楽しみたい方は購入を検討してみてください!




【通話】少しこもり気味で使いにくい…
マイク性能 | 4 |
『MOMENTUM True Wireless 4』はマイクが内蔵されており、音声通話をすることができます。
前作よりも周囲のノイズ低減力は向上したように感じますが、少し声がこもってしまう印象です。
【充電】ワイヤレス充電に対応


充電方式はケース前面のUSB TypeCかワイヤレス充電に対応しています。
【モード】低遅延モードでゲームも違和感なくできる


ゼンハイザーのアプリでオーディオの解像度の項目で「低遅延モード」を選択できます。
ゲームや動画視聴に向いているモードです。
しかし、低遅延モードを使用しなくてもNintendo Switchでポケモンやマリオなどのゲームは違和感なくできています。
映画やYOUTUBEも問題無く視聴できているため通常モードであっても致命的な遅延はありませんが、タイミングが重要視されるゲームの場合は活躍する機能かもしれません。




まとめ〜最高の音を手に入れよう〜


以上『MOMENTUM True Wireless 4』のレビューをまとめました。
各評価項目の点数は次のとおりです。
装着感 | 4.7 |
音質 | 5.0 |
ノイズキャンセリング | 4.0 |
外音取込み | 4.5 |
マイク性能 | 4.0 |
- 角が無くまろやかで深みのある音質が好き
- サウンドパーソナライゼーションで自動的に好みのバランスに調整して欲しい
- 実用的なノイズキャンセリングと外音取込み機能が欲しい
- ラジオ、Amazonのオーディブル、YOUTUBEなどで人の声をイヤホンで聴くことが多い
好みの音質がイマイチよく分からない人やカスタマイズが面倒な人は「サウンドパーソナライゼーション」で快適なイヤホンライフを過ごせる可能性が高いと思います。



高価格帯のワイヤレスイヤホンですが、値段に見合った性能と満足感を得られる仕上がりになっていますよ!




コメント